王国暦208年1月1日。
暦が変わったが特に相違ない。
がぁらの街に流れてきた直後はカウントダウン前後の異様な盛り上がりに胸を弾ませたものだが、最近は特に感動も感じない。
しかし孤児院の子供達や毎年のように移り変わる新入りの神官にとっては新鮮な事のようであり、総じて毎年この時期、聖堂内に安息は生まれない。
年を明けて、やれお年玉だのと喧しくせがむ彼ら彼女らから逃れんと跳躍を実行。港町に移る。
本当は街境の森に移りたかったが、如何せん急な跳躍は座標の機軸を狂わせる。
それでも聖堂内よりは良いかと思い散策を開始。
その折に山積みの木箱の上に立っているテンガロンハットの男(ホロウ)と遭遇。
聞くに一週間ほど遅れた火気厳禁の積荷を見張っているという。
彼の為にコーヒーを買ったり他愛のない話に興じるなどして時間を潰した後、街に買出しに来ていた下級神官の気配を感じて去る。
去り際、男に私の行方を尋ねられたら進んだ道とは逆を伝えて欲しいと頼んだ筈だが…あっさりと見つかる。
「おっきな帽子を被った男の人に訊いたら親切に教えてくれましたよぉ☆」などと神官はほざいていたが…、
あの男…裏切ったか…?