王国暦207年12月31日。
大神官より拝命。酒場の主に手紙および重箱の注文表を手渡に向かう。
来てみれば酒場は封鎖中。表に「大掃除中」の掛札有り。
時間のロスを憂慮し内部に時空跳躍を敢行。
中では未だ清掃が行われていた。
肝心の店内の清掃を嘱託の青年一人に任せっきりにしており、効率が良いとは決して言えない。
私から言わせれば緩慢で杜撰。
その旨を青年に伝え、更に時間が無い事を伝えると協力を申し出された。
仕方なく彼の清掃の手助けをする。
程なくしてレオンが現れる。
相も変らず健勝であったが勢いで物を浮遊させる能力を開花させたらしい。
しかし清掃の邪魔どころか粗大ゴミを増やすだけなのでレオンごと焼却炉に放棄。
事無きを得、帰還する。
しかし迂闊だ…、
嘗ての頃と全く変わる事のない相手との遭遇は、私を少なからず動揺させる。
体裁を取り繕っていても、随所に瑣末なミスが垣間見える。
レオンの「どシリアスに徹しようとも所詮貴様の根幹は同じ」と言う言葉は成る程確かに道理。
私は所詮、何処までも私でしかない…だが…、
一番不幸な事は忘れた事をすら忘れた事…
嘱託の青年は私の事を覚えていた、それなのに私は彼の事を全く覚えていない。
名さえ交わした仲だったと言うのに…